はずば歯車の寸法計算
4 歯車の寸法計算
4.3 はずば歯車(ヘリカルギヤ)
図4.7のように、はすば歯車とは歯すじがつるまき線である円筒歯車です。
基準円筒上でつるまき線はβのねじれ角を有し、1回転に対してリードpzだけ進みます。
はすば歯車の歯形曲線は、正面でインボリュート曲線であり、その歯形には歯直角方式と軸直角方式の2つの方式があります。
歯直角つるまき線に沿って測ったピッチpn(歯直角ピッチ)を円周率πで除した値が歯直角モジュールmnです。
はすば歯車の歯形曲線は、正面でインボリュート曲線であり、その歯形には歯直角方式と軸直角方式の2つの方式があります。
歯直角つるまき線に沿って測ったピッチpn(歯直角ピッチ)を円周率πで除した値が歯直角モジュールmnです。
この歯直角モジュールmnと歯直角圧力角αnを基準とするのが歯直角方式はすば歯車です。軸平面とピッチ平面とに垂直な平面である正面で測った基準円筒上のピッチpt(正面ピッチ)を円周率πで除した値が正面モジュールmtです。
この正面モジュールmtと正面圧力角αtを基準とするのが軸直角方式はすば歯車です。
歯直角方式はすば歯車においては、モジュールmnと圧力角αnが同じであれば基準円筒ねじれ角βが異なっても同じホブ(工具)で歯切りすることが可能です。
しかし、軸直角方式はすば歯車においては、モジュールmtと圧力角αtが同じでも基準円筒ねじれ角βが変わればホブ(工具)も変えなければ歯切りできません。
このように製作の容易さなどの理由により、歯直角方式はすば歯車のほうが広く普及しています。
平行軸ではすば歯車をかみ合わせるには、ねじれ角は等しく、ねじれ方向は異なるものを組合せる必要があります。
ねじれ角の異なるものをかみ合わせると、平行軸ではかみ合いませんから、これはねじ歯車となります。
歯直角方式はすば歯車においては、モジュールmnと圧力角αnが同じであれば基準円筒ねじれ角βが異なっても同じホブ(工具)で歯切りすることが可能です。
しかし、軸直角方式はすば歯車においては、モジュールmtと圧力角αtが同じでも基準円筒ねじれ角βが変わればホブ(工具)も変えなければ歯切りできません。
このように製作の容易さなどの理由により、歯直角方式はすば歯車のほうが広く普及しています。
平行軸ではすば歯車をかみ合わせるには、ねじれ角は等しく、ねじれ方向は異なるものを組合せる必要があります。
ねじれ角の異なるものをかみ合わせると、平行軸ではかみ合いませんから、これはねじ歯車となります。
図4.7 はすば歯車(右ねじれ)
(1)歯直角方式はすば歯車
転位はすば歯車のかみ合いにおいても、かみ合いピッチ円直径dwと正面かみ合い圧力角αwtは大切な要素です。
正面で考えれば平歯車もはすば歯車もかみ合いは同じですから、計算式も同じです。
表4.9には歯直角方式転位はすば歯車の計算を示します。標準はすば歯車を計算するには、xn1=xn2として計算をすすめます。
表4.9 歯直角方式転位はすば歯車の計算(1)
番号 | 計算項目 | 記号 | 計算式 | 計算例 | |
小歯車(1) | 大歯車(2) | ||||
1 | 歯直角モジュール | mn | 設定値 | 3 | |
2 | 歯直角圧力角 | αn | 20° | ||
3 | 基準円筒ねじれ角 | β | 30° | ||
4 | 歯数(ねじれ方向) | z | 12(L) | 60(R) | |
5 | 歯直角転位係数 | xn | +0.09809 | 0 | |
6 | 正面圧力角 | αt | ![]() | 22.79588° | |
7 | インボリュートαwt | invαwt | ![]() | 0.023405 | |
8 | 正面かみ合い圧力角 | αwt | インボリュート関数表から求める | 23.1126° | |
9 | 中心距離修正係数 | y | ![]() | 0.09744 | |
10 | 中心距離 | a | ![]() | 125.000 | |
11 | 基準円直径 | d | ![]() | 41.569 | 207.846 |
12 | 基礎円直径 | db | d cosαt | 38.322 | 191.611 |
13 | かみ合い ピッチ円直径 | dw | ![]() | 41.667 | 208.333 |
14 | 歯末のたけ | ha1 ha2 | (1+y -xn2)mn (1+y -xn1)mn | 3.292 | 2.998 |
15 | 歯たけ | h | {2.25+y -(xn1+xn2)}mn | 6.748 | |
16 | 歯先円直径 | da | d + 2ha | 48.153 | 213.842 |
17 | 歯底円直径 | df | da - 2h | 34.657 | 200.346 |
歯車諸元として初めに中心距離αを与えられて、転位係数xn1、xn2を求めるときは表4.9の5番から10番までの計算項目を逆に計算します。
その計算を表4.10に示します。
その計算を表4.10に示します。
表4.10 歯直角方式転位はすば歯車の計算(2)
番号 | 計算項目 | 記号 | 計算式 | 計算例 | |
小歯車(1) | 大歯車(2) | ||||
1 | 中心距離 | a | 設定値 | 125 | |
2 | 中心距離修正係数 | y | ![]() | 0.097447 | |
3 | 正面かみあい圧力角 | αwt | ![]() | 23.1126° | |
4 | 転位係数の和 | xn1+xn2 | ![]() | 0.09809 | |
5 | 歯直角転位係数 | xn | ― | 0.09809 | 0 |
歯直角方式はすば歯車を軸直角方式はすば歯車に換算するには、次の関係式を用います。
(2)軸直角方式はすば歯車
表4.11には軸直角方式転位はすば歯車の計算を示します。
標準はすば歯車を計算するには、xt1=xt2=0として計算をすすめます。
表4.11 軸直角方式転位はすば歯車の計算(1)
番号 | 計算項目 | 記号 | 計算式 | 計算例 | |
小歯車(1) | 大歯車(2) | ||||
1 | 正面モジュール | mt | 設定値 | 3 | |
2 | 正面圧力角 | αt | 20° | ||
3 | 基準円筒ねじれ角 | β | 30° | ||
4 | 歯数(ねじれ方向) | z | 12(L) | 60(R) | |
5 | 軸直角転位係数 | xt | 0.34462 | 0 | |
6 | インボリュートαwt | invαwt | ![]() | 0.0183886 | |
7 | 正面かみ合い圧力角 | αwt | インボリュート関数表から求める | 21.3975° | |
8 | 中心距離修正係数 | y | ![]() | 0.33333 | |
9 | 中心距離 | a | ![]() | 109.0000 | |
10 | 基準円直径 | d | zmt | 36.000 | 180.000 |
11 | 基礎円直径 | db | d cosαt | 33.8289 | 169.1447 |
12 | かみ合い ピッチ円直径 | dw | ![]() | 36.3333 | 181.6667 |
13 | 歯末のたけ | ha1 ha2 | (1+y -xt2)mt (1+y -xt1)mt | 4.000 | 2.966 |
14 | 歯たけ | h | {2.25 + y -(xt1+xt2)}mt | 6.716 | |
15 | 歯先円直径 | da | d + 2ha | 44.000 | 185.932 |
16 | 歯底円直径 | df | da - 2h | 30.568 | 172.500 |
表4.11の5番から9番までの計算項目を逆に計算するのが次に示す計算(2)です。
表4.12 軸直角方式転位はすば歯車の計算(2)
番号 | 計算項目 | 記号 | 計算式 | 計算例 | |
小歯車(1) | 大歯車(2) | ||||
1 | 中心距離 | a | 設定値 | 109 | |
2 | 中心距離修正係数 | y | ![]() | 0.33333 | |
3 | 正面かみ合い圧力角 | αwt | ![]() | 21.39752° | |
4 | 転位係数の和 | xt+xt2 | ![]() | 0.34462 | |
5 | 軸直角転位係数 | xt | ― | 0.34462 | 0 |
軸直角方式はすば歯車を歯直角方式はすば歯車に換算するには、次の関係式を用います。
(3)はすばラック
はすば歯車とはすばラックのかみ合いも、正面でみれば、まったくラックと平歯車のかみ合いと同じです。
表4.13には歯直角方式はすばラックの計算を、表4.14には軸直角方式はすばラックの計算を示します。
表4.13 歯直角方式はすばラックの計算
番号 | 計算項目 | 記号 | 計算式 | 計算例 | |
はすば歯車 | はすばラック | ||||
1 | 歯直角モジュール | mn | 設定値 | 2.5 | |
2 | 歯直角圧力角 | αn | 20° | ||
3 | 基準円筒ねじれ角 | β | 10°57'49" | ||
4 | 歯数(ねじれ方向) | z | 20(R) | -(L) | |
5 | 歯直角転位係数 | xn | 0 | - | |
6 | ピッチ線高さ | H | - | 27.5 | |
7 | 正面圧力角 | αt | ![]() | 20.34160° | |
8 | 組立距離 | a | ![]() | 52.965 | |
9 | 基準円直径 | d | ![]() | 50.92956 | - |
10 | 基礎円直径 | db | d cosαt | 47.75343 | |
11 | 歯末のたけ | ha | mn(1 + xn) | 2.500 | 2.500 |
12 | 歯たけ | h | 2.25mn | 5.625 | |
13 | 歯先円直径 | da | d + 2ha | 55.929 | - |
14 | 歯底円直径 | df | da - 2h | 44.679 | |
転位なしの、歯直角方式はすば歯車においては、xn=0として計算します。歯直角方式はすばラックとはすば歯車を平行軸でかみ合わせるには、ねじれ角は等しく、ねじれ方向は異なるものを組合せる必要があります。
このかみ合いにおいて、はすば歯車1回転に対するラックの移動量は、ラックの正面ピッチの歯数倍です。
表4.13の場合は正面ピッチptは8mmですから、
は160mmとなっています。
は160mmとなっています。このようにねじれ角を適当に選定することにより、正面ピッチptを整数にすることができます。
表4.14 軸直角方式はすばラックの計算
番号 | 計算項目 | 記号 | 計算式 | 計算例 | |
はすば歯車 | はすばラック | ||||
1 | 正面モジュール | mt | 設定値 | 2.5 | |
2 | 正面圧力角 | αt | 20° | ||
3 | ねじれ角 | β | 10° 57' 49" | ||
4 | 歯数(ねじれ方向) | z | 20(R) | -(L) | |
5 | 軸直角転位係数 | xt | 0 | - | |
6 | ピッチ線高さ | H | - | 27.5 | |
7 | 組立距離 | a | ![]() | 52.500 | |
8 | 基準円直径 | d | zmt | 50.000 | - |
9 | 基礎円直径 | db | d cosαt | 46.98463 | |
10 | 歯末のたけ | ha | mt(1 + xt) | 2.500 | 2.500 |
11 | 歯たけ | h | 2.25mt | 5.625 | |
12 | 歯先円直径 | da | d + 2ha | 55.000 | - |
13 | 歯底円直径 | df | da - 2h | 43.750 | |
この軸直角方式はすばラックとはすば歯車のかみ合いにおいて、はすば歯車1回転に対するラックの移動量
は、ラックの正面ピッチの歯数倍です。
は、ラックの正面ピッチの歯数倍です。
=πmt z (4.19)ご意見ご希望は技術課まで
こちらの技術資料は冊子カタログ3013(2015年)当時のデータであり、一部データが古い場合があります。
最新情報は最新カタログでご確認下さいますよう、お願いいたします。
歯車計算ソフト GCSW

歯車強度計算で時間を掛けていませんか?
これまで歯車計算で手間取った経験をお持ちの方、歯車設計の効率化、簡略化を検討している方、歯車について勉強されている方々にご活用頂ける歯車計算ソフトです。
詳細は歯車計算ソフトGCSWをご覧ください。
これまで歯車計算で手間取った経験をお持ちの方、歯車設計の効率化、簡略化を検討している方、歯車について勉強されている方々にご活用頂ける歯車計算ソフトです。
詳細は歯車計算ソフトGCSWをご覧ください。
KHK製品のお求めについて
- 全国ネットの販売網が完備しています。
全国の機械工具、伝動用品店、KHKオンラインショップにてお求めください。 - ご注文はカタログ記号でお申し付けください。
KHK標準歯車は、寸法表に記載されているカタログ記号でお申し付けください。
























