歯車の摩耗及び歯面疲労

14 歯車の損傷と対策

14.1 歯車の摩耗及び歯面疲労

歯車の歯面の摩耗には、運転開始時に歯面の微細な凹凸が取れる歯車の運転にはなんら差し支えない程度の「なじみ摩耗」から、歯面からかなりの量が削り取られる「重大な摩耗」までいろいろあります。歯形が崩れるほど摩耗が進んだ場合、歯車は正常なかみ合いを出来なくなります。
歯面疲労とは、歯面に繰返し荷重がかかったときに、歯の表面あるいは歯面直下に生じる応力がその材料の疲労限度よりも大きい場合に起り、歯面から材料が脱落するという特徴をもった歯面損傷の総称です。この損傷には、ピッチング、スポーリング、ケースクラッシングなどがあります。
歯面に重大な摩耗が進行したり、進行性のピッチングが発生した場合、歯車装置には以下のような異常な現象が発生します。
  • 騒音や振動が大きくなる
  • 歯車装置の温度上昇が激しくなる
  • 潤滑油の汚れがひどくなる
  • バックラッシが大きくなる
これらの異常な現象の真の原因を除去すれば、歯車損傷の問題を解決することができます。

歯面損傷の原因と対策例を以下に示します。
(1)負荷に対して歯車の強度(歯面強さ)が不足の場合
対策1.歯面強さ(歯車強度)アップ
  • 硬くて強い材料に変更する
    S45C → SCM440/SCM415 など
    9. 歯車の材料と熱処理を参照。
  • 歯車を大きくする
    モジュール、歯数を大きくする
  • 歯幅を広くする
  • ねじれのある強い歯車に変える
    平歯車 → はすば歯車
    すぐばかさ歯車 → まがりばかさ歯車
    (重なりかみ合い率向上)

  • 対策2.負荷低減
    稼動条件を変えるなどにより負荷低減
(2)組立状態が悪いために、歯当たりが悪い場合
対策:歯当たり修正
歯車の種類により、具体的な対策は異なります。
かさ歯車及びウォームギヤの歯当たり修正方法は、8.3歯車の歯当たりを参照。
(3)歯車、軸等が変形して歯車が片当たりしている場合
対策:歯車、軸及び軸受などを丈夫に設計変更
剛性をアップすることにより、歯当たり改善
(4)潤滑状態が良くない場合
対策:潤滑油の種類、粘度、量などの適正化
13歯車の潤滑を参照。
こちらの技術資料は冊子カタログ3013(2015年)当時のデータであり、一部データが古い場合があります。
最新情報は最新カタログでご確認下さいますよう、お願いいたします。

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